2007年10月21日

土曜深夜劇場「ブランデーワイン」錯誤事件

Bloomberg.co.jp: 特集記事/コラム
米投信「ブランデーワイン」:オラクルやアップル株買い入れで好調
Brandywine's D'Alonzo Doubles S&P 500 With Oracle (Update1)
10月19日(ブルームバーグ):ウィリアム・ダロンゾ氏が運用する48億ドル(約5500億円)規模の米投資信託「ブランデーワイン・ファンド」は今年、米株式市場の指標、S&P500種株価指数の倍のリターン(投資収益)となっている。同ファンドの31人から成るアナリストが徹底した調査を行い、オラクルやアップルの株式を買い入れたことが好調の要因だ。

米投信調査会社モーニングスターによれば、ブランデーワインの年初来リターンはプラス22%。高成長企業に投資する競合投信の平均、プラス19%を上回っている。S&P500種指数は今年、10%高にとどまっている。

たしかに、嘘は書いていません。
しかし、ミスリードが仕込まれています。

「年初来リターンはS&P500の倍」
「高成長企業に投資する競合投信の平均、
 プラス19%を上回っている
(年初来リターンは22%)」

まず、「年初来リターンはS&P500の倍」という一文は、本来であれば大した意味を持ちません。投資する分野が違うからです。わかりやすさのためか、錯覚を起こさせるために、吹かしで入れている一文です。債券よりリターンが上と言われれば、何かがおかしいことに気がつきますが、S&P500よりも上と言われると、なんとなく納得
してしまうところに罠が仕組まれています。

そして、「高成長企業に投資する競合投信の平均、プラス19%を上回っている(年初来リターンは22%)」。同じ分野に投資する競合投信の平均を上回っているならいいんじゃないの? 31人から成るアナリストが徹底した調査を行った結果が、競合投信の平均より上のリターンをもたらしたなら文句はないのでは?

いいえ。それはまちがいです、モナミ。犯人は貴方の錯覚なのです。そんなことで投資をしていると、かみさんにどやされます(コロンボが混じった)。

いいですか、警部、最初に、S&P500という指数を最初に引き合いに出したのです。本来あるべき正しい比較対象は、「高成長企業に投資する」投信ですから、時価総額にあったグロースの指標でないとおかしいのです。

BRWIX: Summary for BRANDYWINE FD INC. - Yahoo! Finance
http://finance.yahoo.com/q?s=brwix&d=t

Category: Mid-Cap Growth

ブランデーワイン卿の属するカテゴリは、ミッドキャップグロースです。比較対象は、ミッドキャップグロースの投信の平均リターンではなく、ミッドキャップグロースの指標、あるいは、ミッドキャップグロースのインデックスに連動するパッシブ運用のファンドでなければいけなかったのです。

幸いなことに、
VMGIX: Summary for VANGUARD MID CAP GROWTH INDEX F
http://finance.yahoo.com/q?s=VMGIX
Category: Mid-Cap Growth
という、ミッドキャップグロースのインデックスファンドがあります。ずばり、年初来の比較チャートを。

いかがでしょう。年初来からの比較期間が短いというならば、指標がミッドキャプグロースETFのJKHとの最長比較チャートを。

ブランデーワイン卿、あなたは、単なるミッドキャップグロースインデックスファンドだったのです。うぃむしゅー。VMGRX: Profile for VANGUARD MID CAP GROWTH FUND - Yahoo! Finance
http://finance.yahoo.com/q/pr?s=VMGRX
まあ、比較対象としては、こっちでも良かったのですが、これはアクティ分運用です。
posted by ことばもないひと at 00:34 | 日記