2008年07月18日

じぶん銀行ついでに、普通預金金利とMRFの利回りの違いをもたらすもの

じぶん銀行
http://www.jibunbank.co.jp/pc/
KDDIカードを作って、メインの支払いをそっちに回したので難儀しています。問答無用でじぶん銀行。

金利一覧 じぶん銀行
この金利だと、KDDIカードのキャッシュバックに遠く及びません。キャッシュバックはKDDIが無かったことにしたいサービス筆頭であることは間違いありません。使用額の1%を、当月の携帯電話料金の支払いにあてることができる。実際には請求額から1%が差し引かれる。

これが何を意味するかと言うと、金融商品にだまされるななどの書籍に書いてある「年率12% 1ヶ月物定期(1ヶ月以降は普通預金の金利が適用されます)」と、逆の現象が発生するということです。

1%をキャッシュバックで戻す。KDDI側の想定では、ポイントを貯めて、最高でも年に1回で1%の支払総額を割引する。携帯の買い換え期間が2年に延びれば、2年で1%。つまり、年率だと0.5%以下負担かな?

KDDIのキャッシュバックは、システム上、最短の場合は1ヶ月単位で出来てしまうのです。今もって。すると、フカシ入りで言えば「1ヶ月で1%の割引 単純年率換算だと12%(他に、支払い待ちの期間の現金ポジションにも決済金融機関の預金金利が付きます)」という、国内金融機関最強級のサービスが誕生することになるわけです。

円建て預金で年利10%付けろ。できるわけがありません。

ところが、上限額は当該月の携帯の使用料金までですが、公共料金やらプロバイダ料金をまとめてクレジットカードで支払って、たとえば10万円を払うようにしていると、毎月1000円分の料金が浮いてしまうわけです。10万円に対しては、キャッシュバックとは別に、決済金融機関の預金金利が1ヶ月分付きます。年間で1万2千円以上が浮くわけです。

ここで、支払いが120万円で、支払い充当できるのが1万2千円だから、結局、年間では1%? と計算するのは、KDDIと同じ過ちです。じぶんでじぶん銀行を設立することにつながります。たいへんそう。借金で考えると分かりやすいかもしれません。

「10万円の借金で、毎月1000円の金利払い。年間で1万2千円の利払い。月額の借金の累計は120万円で、年間支払い利子は1万2千円だから、実質、金利は1%!」

これが間違いなのは、分かってもらえるはずです。

加入者が最善手を取る率が想定以上だったに違いないKDDIにしてみれば、じぶん銀行で年間0.3%の金利ですべてを誤魔化せるなら、なんとしてでも闇に葬りたい事象です。たとえば10万円を預けられても、一年間で300円しか金利で払わなくていいわけです。

で、やっと、預金とMRFの話になります。KDDIとしては、なにぶん建前上は銀行です。預かった金は預金準備率分だけホールドして、あとは好き勝手に運用できるわけです。

預金保険制度 じぶん銀行
http://www.jibunbank.co.jp/pc/insurance/
預金保険制度も適用される、ほんとうの銀行です。

銀行の預金とMRFでは運用先が違います。決済手段としても使える証券総合口座の普及が日本で遅れている原因の一つでもあります。

主要金融商品の金利 金利・利回りデータ集 - goo マネー
http://money.goo.ne.jp/savings/savings_data/shuyo_kinri.html
普通預金金利とMRFでは、たいていはMRFの方が利回りは上です。MRFは安全性の高い短期債で運用します。運用先は決まっています。お金を預かった銀行が好きにできません。

預金者に短期の金利を支払って、自分は長期で誰かに貸し出して金利差を抜く。支払いの預金金利は0.3%、貸し出しの金利がなんとか便利そうな名前の横文字ローンなら、20%近くの金利を取れます。金利差は実に18%以上。

ところが、自動的にMRFで運用されてしまっては、そんなナイス短期、長期の差で儲けることができない。できないこともないけど、レバは下げざるを得ない。自分のところで発行した短期債やらの利回りを約束せざるを得ない。これは、預金者に支払う金利よりも上になります。

預金者に支払う金利<政策金利(短期)
<リスクフリーレートよりもプレミアムの乗った短期債の金利

MRFは、黙って好きに出来る預金と違って、銀行にとっては悪夢サービスでしかありません。ネット銀行で預金金利が高いところでも原理は同じです。

証券会社の場合は、売買手数料などが期待できます。したがって、証券総合口座から公共料金の引き落としができるようになるとか、証券総合口座に給与を振込ようになるとか、それはもう、銀行としては許されざることなわけです。

ぽつぽつとですが、クレジットカードによる決済機能が証券総合口座に提供され、銀行の総合口座との垣根を壊しつつあります。まだまだ大きく広がるには至っていませんが、インフレ率が高くなると、普通預金金利よりもMRFの方がインフレへの抵抗力が強いため、普及していくかもしれません。1970年台のアメリカのように。

なお、時代を巻き戻す手段なのか、別ルートで、ポイントという、金利を付けないでいい社債・実質ゼロクーポン短期債で誤魔化す等の技が炸裂中です。

ポイントを貯めるとは、投資適格債かどうかの格付けもされていない、さらには利子の付かない短期社債に金をぶっ込むことに他なりません。流動性は極めて低く、企業の倒産リスクを背負い、規約変更という名の事前償還リスクもあり、そして、リスクを背負った分のプレミアムも無い。ポイントはその都度使うようにしたいものです。

アメリカで証券総合口座に金が集まった次のターンは、あんまり個人にとっては幸せなものではなかったのですが、そのさらに次の展開は、まあまあな感じです。

米国 証券総合口座 - Google 検索
アメリカ 証券総合口座 - Google 検索
MRF口座は個人投資家に有利です。そこで集まった金を狙われるのは不味い事態です。MRF口座が個人有利のため、証券業界側の銀行業風の展開(証券業界に有利)という道あります。証券業界が保険(個人不利)を売りはじめたりするのはセオリーです。

ラップアカウントに値打ちはない
山崎元のマネー経済の歩き方 ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/series/yamazaki_econo/10041/
その次の展開である、ラップ口座も個人投資家に大幅に不利です。

じぶん銀行も、保険を売り始めるであろうことは想像に難くありません。だんだんと賢くなるの法則です。個人側もあわせて勉強していきたい感じです。騙すな、騙されるなの精神で。
posted by ことばもないひと at 21:34 | 日記