2008年07月10日

共済年金が、国民・厚生年金よりも運用において明らかに有利な点

公的年金運用損の結果責任と日本版SWF設立の是非を考える(上)
山崎元のマルチスコープ ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/series/yamazaki/10038/
上記を読んで、そうだよなあと納得すればするほど、共済年金に大きなアドバンテージがあることが分かります。

ただ、共済年金の有利さは、共済年金のポートフォリオが国民年金にくらべて有利不利ということではありません。CLOシニア特定社債のもたらす有利さでもありません。それは運用の一貫性をある程度まで担保する、運用委員会についての有利さです。

投資は、いったん決めた運用方針をいかに守っていくかが大事になります。昨日はバリュー株式アクティブ投資、今日は安全国内債券、明日は話題のコモデイティ投資、たまにはショートで売り豚に。これではどうしようもありません。右往左往して、最後はコストに飲まれて沈むだけです。

したがって、運用委員会は、名前だけ輪番で載せて名誉職のようにというのではなく、同じ人選で、それも意見が割れて運用資金ぶんどり合戦にならないように、なるべく少人数の有識者で固めた方がましになります。本来、理詰めで行った場合に、やることは変わらないわけですから。

とくに、大きな資金を運用して、パッシブ運用が中心にならざるを得ない場合は、いかにアクティブ運用を廃していくか、どうやって流行の、今ならヘッジファンド投資等を避けていくかになります。

年金積立金管理運用独立行政法人と共済年金のサイトでは、それぞれ、運用委員会が公開されています。

年金積立金管理運用独立行政法人
http://www.gpif.go.jp/
http://www.gpif.go.jp/kanri/pdf/kanri03_h19_p04.pdf
P68に運用委員会名簿があります。退任者が書かれおり、入れ替わりがあることが分かります。

以下は、共済年金のサイトです
年金資産運用に関する情報開示
http://www.kkr.or.jp/shikin/index.htm
年金積立金等の運用状況<平成18年度版>
山崎元 楽天証券経済研究所客員研究員
(注)委員会が設置された平成13年7月以来、委員の交替はありません。

運用方針が一貫しており、年金資金つかみどり大会を防ぐ、練達のゲートキーパーがいるほうが有利であることは間違いのないところです。


おまけ

厚生関係審議会議事録等 年金局
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/nenkin.html#nenkin-s
平成12年12月11日全員懇談会議事録
○ C委員
先ほどの年金積立金の運用のことについて伺いたいと思うんですが、うまく運用できればいいんですが、赤字を出したり、積立金に食い込み、欠損が出たような場合が、考えてはいけないんだけれども、考えられる場合もあると思うんですね。

そういった場合に、責任のとり方というのはどういうふうになっているのでございましょうか。積立金が減っちゃったなんていう場合、だれがどういうふうに責任をとるのか。

○ 事務局
 まず、年金資産の運用の結果、まさにそのような事態になったときに、責任論というものが大変問題になるわけでございますが、資産運用につきまして、いわば長い歴史、それなりの歴史を持っている米国、ヨーロッパ、特にイギリスなどにおける、考え方といいますのは、結果責任ということはございません。

マーケットそのものはやはり変動するものであると。そこに資産を運用ということで投入すると。マーケットの変動に伴って資産価値も変動する。これはそれ自体やむを得ないことである。結果として、例えば予定を下回るような結果になった場合に、直ちにそのことをもって、具体的な形で誰か責任をとらなければいけないということにはなってございません。


        iイ彡 _=三三三f           ヽ
        !イ 彡彡´_ -_=={    二三三ニニニニヽ
       fイ 彡彡ィ 彡イ/    ィ_‐- 、   ̄ ̄ ヽ     し  ま
       f彡イ彡彡ィ/     f _ ̄ ヾユ  fヱ‐ォ     て  る
       f/ミヽ======<|-'いシ lr=〈fラ/ !フ    い  で
       イイレ、´彡f        ヽ 二 _rソ  弋_ { .リ    な  成
       fノ /) 彡!               ィ     ノ ̄l      .い   長
       トヾ__ら 'イf     u    /_ヽ,,テtt,仏  !     :
       |l|ヽ ー  '/          rfイf〃イ川トリ /      .:
       r!lト、{'ー‐    ヽ      ´    ヾミ、  /       :
      / \ゞ    ヽ   ヽ               ヽ /
      ./    \    \   ヽ          /
   /〈     \                 ノ

* ‐ ´ ヽ ヽ       \\     \        人


リスクテイクの結果としてリターンがあるという話以外は信じない方が良いと思います。リターンを求めるなら、合理的に判断してリスクを取っていくしかないはずです。

少額の資金なら別にやりようもあるとは思いますが、数十兆円単位を運用する場合に残されているフリーランチの機会は存在しないと考えています。
posted by ことばもないひと at 01:11 | 日記